第166話 【シュライン】の夜②
牛肉のステーキを頬張ったサラの一言目は...!。
「美味しい!!!」
でした。
いつもの簡単な感想を述べる妹の言動で私の感想のハードルを下げさせる。
その後でゆっくりと牛肉ステーキに手をつけました。
フォークで肉を抑えてナイフで肉を切り裂こうとした瞬間!。
(うわっ...柔らかっ...)
普通肉といえば硬い物を連想するが、この肉は柔らかい。
モグモグ...。
「えっ...!?」
あまりの衝撃に私は思わず手を口に当てた。
(口の中で肉が溶けた!?)
そう...、噛み締めようとしたら既に肉が溶けていたのです。
こんな上等な肉を今まで食べたことがないのでどのように反応すればいいのかわかりません。
どうやらレイナも私と同じような反応を見せているので、恐らく反応に困っているのでしょう。
(こんなの一切れだけで2000ゴールドくらいするんじゃないのか?)
そう思えるほどに上等な肉を一冒険者である私達に食べさせる余裕がある所を見る限り、本当にエリーゼの家は金持ちなようです。
サラはなにも考えていないような表情で肉にむしゃぶりついていましたが、私は余計な事を考えてしまいました。
(こんな肉をわざわざご馳走するってことは...、何か仕事内容を追加されるだろうな)
そう思いながらも食事を続けていると、エリーゼが私の隣でワインを注いでくれました。
「はいっお姉様、このワインをお飲みください」
トクトクと注がれるワインの香りが凄くてここまで香ってきます。
見ただけでわかります、これ絶対に高いやつだと...。
「お姉様、グイッと一杯飲んじゃってください!」
何故かワインを進めてくる彼女の押しもあって、一息に遠慮なく飲み干してしまいます。
そしてその感想といえば...。
(うわっ...、うっま...)
それ以外の言葉を失ってしまうほどにコクと濃度のあるワインの味に言葉を失ってしまう私なのでした。
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