第165話 【シュライン】の夜
「ふうっ、良いお湯でしたっと」
私がお風呂から出るとエリーゼが真っ先にタオルを持ってきてくれた。
「ケロナお姉様、体を拭く用のバスタオルです♪」
「んっ、ありがとう」
彼女からバスタオルを貰って体を拭く私。
そんな私をしっかりと見てくる彼女。
「そんな見つめてどうしたの? 女同士だし裸くらい珍しいものでもなしでしょ?」
「い...いえ///、なんでもありません」
「そう...?」
その後も私が衣服を着るまでずっと着替えを見つめていた彼女を見ていると油断ならない。
(まさか...ね)
気のせいだとは思うがエリーゼにはそっちの気があるのでは? と言う疑いがかかり始めている。
その後、全員が脱衣場からでて食堂に向かうと、豪勢な料理が私達の前に出された。
金持ち御用達な牛肉のステーキに山菜を添えた物が特に気になってしまう私。
(なにこの豪華な牛肉の塊は!)
と思わず心の中で叫んでしまった。
勿論それ以外にも見たことのない食事が沢山並んでいる。
サラなんて涎を垂らしながら目の前に広がる未知の料理達を前にして夢を見ているかのような表情を浮かべていた。
私達の中では唯一レイナだけがいつもの表情でいてくれるので心強い。
ここまで豪華な夕食を目の前にしているとお腹がなってしまいそうになる。
「では皆さま、当家自慢の料理達をゆっくりと味わってくださいね」
エリーゼの父さんが会食の言葉を呟いた瞬間にサラが「いただきまーす!」と叫びながらナイフとフォークを手に取って肉にむしゃぶりつくのでした。
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