第163話 エリーゼ邸の風呂
私がかけ湯をしているとエリーゼが近づいてきました。
「ケロナお姉様、お背中流しますわ」
「そう、じゃあ頼もうか」
「はいっ! しっかりと洗います!」
ボディタオルと少量の石鹸を手に取って私の背中を洗い始める彼女。
「お姉様の背中...、凄くお綺麗ですわ...」
「そう? スラナ村から出てずっと戦ってきたから背中にも傷とかあるだろうけど...」
ここ最近で私の体には生傷が増えたと思う。
時間が経てば治る程度の物ばかりだが、それでもスラナ村にいた頃に比べれば傷を負っていると言えるだろう。
そんな私の傷を見て彼女はこう呟いた。
「いいえ、そう言った戦歴の後もケロナお姉様が歩いてきた道ですから...」
彼女の言葉に私はふっと笑う。
「戦歴の後...か、今思えばただの【村娘】の私がこんなに戦うことになるなんてほんの2か月前まで考えられなかったな...」
「2ヶ月前...? 【村娘】...? えっ?」
頭がこんがらがっている彼女に私はこれまでの経緯を話した。
〜少女説明中〜
「ケロナお姉様って【村娘】なんですね...、それでその強さとは、このエリーゼ心底感服いたします!」
「ははっ、私はレベルが上がらないんだ、だから小手先の技能や魔法を覚えて強くなるしかない、そんな私でもこれだけ強くなれたんだからレベルの上がるエリーゼなら私よりもきっと強くなれるよ」
ついついサラと同じ歳くらいの子には優しいことを言いたくなってしまう。
「ありがとうございます、明日からもダンジョン攻略と指導の方よろしくお願いします!」
聞き分けの良いエリーゼに背中を洗って貰っているうちにとある事を疑問に思って口に出すのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます