第664話 ミルシュ⑩
「ママ〜!! 見てみて〜!!」
ミルシュは早速作ってもらった蒼い旅服を私に見せびらかしてきました。
「よかったね、ミルシュ」
「うん! おばあちゃんに作って貰ったんだから大切にするよ!」
背中に着けてもらっているマントを翻しながらそこら辺を走り回るミルシュを見ておばあさんは言いました。
「良かったよかった、お嬢さんには喜んでもらえたようだね...」
「はい、3日で作ってくださってありがとうございました」
「いや良いんだよ、最近何かと物騒な話ばかり聞いているし、こんなに明るいお嬢さんの笑顔を見られるだけでワシは幸せ者じゃよ...」
私はおばあさんに報酬金を私ながら、気になった事について少し話をする事にしました。
「何かと物騒な話とは?」
「そうさね、最近【フィルア王国】が崩壊したって聞いただろう? この大陸最大の国家の崩壊に便乗した女性差別の国で有名な【ターランド】が満身創痍の【フィルア王国】を制圧してしまったとね...」
「【ターランド】って...」
私はミカと目を合わせました。
「【ターランド】は師匠と出会った私の故郷の名前ですよ」
その言葉にいてもたってもいられなくなった私はすぐに出発する事にしました。
(ただの噂話なら良いけれど、もしその噂が本当ならば、あんなクソみたいな国に【フィルア王国】の民が搾取されていはずがない!)
そう思った私はきた道を戻り始め、一度【フィルア王国】へと向かうのでした。
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