第40話 答え

 私はディールの答えに「ああ」と答える。


「そうか...、それは残念だ」


 と本当に残念そうな表情を浮かべている彼を見て何も思わない訳ではないのだが、私には【聖典】を破壊すると言う使命があるのだ。


 これ以上私とサラの様な被害者を出さないためにも、アレはこの世から消滅させなくてはならない。


「悪いね、でも最後に未攻略ダンジョンの攻略だけは手伝うつもりだよ、あそこもだいぶ攻略できてきたし、後はダンジョンボスを倒すだけだから」


 その言葉を待ってました! とばかりに笑顔を浮かべるディール。


「本当か!? 良かった、ケロナがいないんじゃうちのパーティの戦力は半減だからな、最後のダンジョン攻略も期待してるからな!」


 彼が鼻歌混じりに狩りを終える中、私はふとこんな事を思い出す。


(そう言えば新たな旅に出ると決めたのはいいけれど、その為の準備はしていないな...)


 お金は十二分に貯まっているし、町に戻ったら色々と雑貨を見てみようと思う。


 旅をするのに物資は必要不可欠だからね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る