「ケロナちゃん！？」

　ライファー様の言葉により目が覚める私。

「ライファー様...？」

「突然倒れるからびっくりしたのよ！？　大丈夫？」

　本当に心配していた様子の彼女の表情は安堵の物へと変わっていく。

　心底安心したようでホッと一息吐いた後に言いました。

「どうやらケロナちゃんは【契約眷属】にはできないようね、何か特（・）別（・）な（・）方法で守られている事が分かったわ」

「何か特別な方法...？」

「私には分からないけれど、【帝王】である私の【契約眷属】の儀式を跳ね除けてしまうほどの何かがある事は確かね、残念だけどただの【眷属】としてこれからも私に仕えて頂戴ね」

「...はい」

　ライファー様にそう言われてしまうと思い当たる節がある。

　私は元々アリカと言う少女の配下の魔物なのだ。

　もしかしたらなのだが、そのアリカの技量が【帝王】達の物よりも大きいのかもしれない。

　とも思ってみたのだが、それはないか...。

　私がアリカに求めていた物と言えば彼女の【心の暖かさ】だけである。

　思い返せば思い返す程にあんな君主に仕える必要などないと言うのに何故か仕えてしまいたくなる不思議な魅力が彼女の持ち味なのだ。

　...。

　話がそれてしまったのでふと先程の夢の記憶を思い出す。

(あの時に感じた人（・）間（・）へ（・）の（・）憎（・）悪（・）は一体なんだったのだろう...)

　一度その事を思い出してしまうと、そればかり考えてしまうのでした。

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