第380話 逃走②
私が全速力で大木を移動させようとした瞬間でした。
ヒュンという風を切る音がしたので大木の後ろを見てみます。
すると、大木が燃えているではないですか!!
(さっきの音...、まさか火の矢でも放たれてたの?)
しかし、燃えている状態をいつまでも放置しておく訳にはいきません。
(今は...、逃げることに全魔力を注ぎ込む!!)
私は自分の中に残った魔力を全て逃走用に爆発させました!!
ビュン!! と言う風切り音と共に【アイニューズ】から抜け出します!!
流石の人形達も私の【箒魔法】には追いつけるはずもなく、悔しそうに上空を見上げていました。
大木が燃えている事に気がついているのは私だけではないのだが、私が全力の【箒魔法】を扱っているので皆しがみつくのに必死で動ける者がいません。
ある程度町から離れると徐々に高度を下げてゆっくりと地上に向かって大木を落とす私。
そこまでいくと大木に火が回り私達の方にまで炎が侵食していましたが...。
「私に任せて!」
とサラが叫び水魔法で鎮火してくれています。
【聖女】職業についている彼女は今【光魔法・風魔法・水魔法】を使う時に威力補正がかかるので簡単に鎮火してくれました。
ちなみに【魔女】は攻撃魔法全てに威力補正がかかるのですが、【付与魔法】や【回復魔法】には全くと言って良いほど補正が乗りません。
詰まる所、【魔女】は攻撃魔法のエキスパートで【聖女】は回復魔法や付与魔法の達人と言った所でしょう。
どちらも上級職ですが、メリットとデメリットがハッキリとしているのでこれからもサラには両方の職業を交互に就いて貰い、どちらの職業に就いてもしっかり動けるように鍛えるつもりです。
とりあえず今は助かった事に感謝をしておきましょう。
「サラ、助かりました」
「ううん! このくらい仲間として当然だよね!」
そう呟く弟子の笑顔に笑顔で返す私なのでした。
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