第379話 逃走
私達がダンジョンの外に出た瞬間でした。
「えっ!? レイナさん! 玩具の家から兵隊達が出てきてるよ!!」
サラの放ったその言葉に私は慌てて振り向きます。
「なんですって!?」
振り向いた先には確かに玩具達がずらずらと出てくる所が見えました!。
「ダンジョン内にいる魔物が外に出てくるなんて...!」
やはりこのダンジョンは何がおかしいのだと感じる私。
そもそもリアルタイムでここまで地形が変わるダンジョンなど私は今まで体験したこともなければ聞いたことすらありませんでした。
「ほんっと...、勘弁してくれませんかね...」
手負のケロナに肩を貸した状態でまともに戦える相手ではありません。
それに相当消耗しているのは皆の様子を見ていた私が1番よく分かっています。
(これ以上の連戦はやめて置いた方がいい...)
となると選択肢は一つしかありません。
私は辺りを見渡して程よい大きさの木に向かって【風の魔法】を放ちました。
斬撃の様な形の空気の圧力で大木を一刀両断し、それに【箒魔法】をかけて箒として扱うという無茶をします!。
(くっ...流石に重たいですね...!、ですがレベルの上がった今の私ならば...!)
私は5メートルはあろうかという大木を【箒魔法】の要領で扱い、そこら辺にいる雑魚を片付けてから皆をそれに乗せました。
「早く乗って!」
私の言葉に皆が頷き、急いで乗り込みます!。
(流石に5人も乗せると相当重たいですね...、今だけはサラにも手伝って欲しいです...)
と弱気になっていましたが、早くこの場から逃走しなければと言う意識が働いたのか、私が出せるであろう最大風速よりも遥かに早い速度で大木を動かす事に成功するのでした。
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