第230話 草原の町【フォルカナ】
私達が町の中に入ると自分達の異物感にまず気がつく。
「なんか...私達浮いてるよね?」
「うん...」
「そうですわね...」
私とサラとエリーゼは何故自分達が浮いて見えるのか分からないでいると、レイナが私達に魔術で着替えさせてくれました。
「当然でしょ、ここは大陸が違うんだから文化も違う、つまり違和感の正体は
流石は旅慣れしている魔女の言葉なので説得力が違います。
私達がよくわからないでオロオロしていても、彼女さえいてくれればなんとかなりそうな気がしてきました。
「取り敢えずそれで我慢してください、さっさと着物屋に行って皆の背丈に合った着物を買い揃えましょう」
そう言いながら先導する彼女に私は慌てて言いました。
「ちょっと待って!」
「何ですか? 大声なんか出して珍しいですね」
「マフラーだけは返して!」
「はっ? マフラーなんか着物に合うわけないでしょ? 町を出る時に返してあげますから我慢してください」
レイナは頑なに【着物×マフラー】を認めてくれませんでしたが、私はとにかく返して欲しいと頼みこみ、何とか返して貰いました。
自分の手に戻ってきた赤マフラーを見て喜びながら首に巻く私。
「あ〜...やっぱり落ち着く」
「たかだかマフラー程度で大袈裟げさに...、しかも着物には絶対に合わないのに...」
彼女は不満そうな顔で私にマフラーを返してくれましたがこれでいいいのです。
私にとってこのマフラーは...
「話がついたのなら早く服屋に行こうよ...、これレイナお姉ちゃんの服だから地面にずっちゃう...」
ズルズルとブカブカな着物を地面に擦り付けながら歩きづらそうに歩くサラを見ていると、早く着物屋に向かわなくては! となる私なのでした。
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