第432話 命の灯火②

 私がエルサに向かって特攻を仕掛けようとしていると...。


「待って!!」


 とサラに大声で止められてしまいました。


「サラ!?」


 私がいきなり大声をあげる彼女に驚いていると、彼女は私のほっぺたを両手でパチンとサンドイッチでも作るのかと言う勢いで挟んで言いました。


「お姉ちゃん! 慌てすぎ! 【死の宣告】を受けて時間がないのは分かる! 分かるけど慌ててちゃエルサには勝てないよ! それに私もいるんだからちゃんと連携して! 今のお姉ちゃんの速度が速すぎてちゃんとした連携が出来るかは分からないけど、一人で突っ走られたら私が何もできない! お姉ちゃんは一人で戦ってるんじゃないんだから、もっと私のことも信じて一緒に戦おうよ!」


 妹にそんな事を言われてようやく気がつきました。


 そうです...、サラはもう立派な【Sランク冒険者】なのです!


 それを思い出した私は妹にこう言いました。


「サラ! あのデカいのをお願い! 私がエルサをどうにかする!」


「うん!任せて! 的がでかいからどうにでもなるよ!」


 サラはそう言いながら魔力を込めて【吹雪】の魔法を唱える!


 水と風を上手く扱う事で【氷】を生み出すことができるのですが、サラはそれで【吹雪】を生み出すまでになっていました。


「グガァァァ!」


【死の案内人】の足が凍りつき機動力を奪うことに成功したのを見てた私はこう思いました。


(サラ...いつの間にこんな魔法を...)


 小さな子は知らないうちに大きくなっているんだな〜と、しみじみ感じさせられる私なのでした。

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