第446話 1年後の挑戦!!

 私とお姉ちゃんは2人で【ブクゲロ沼】にある脱出水路に向かっています。


 1年使ってお姉ちゃんにみっちりと教えられた結果、私は【水魔法】を取得できました。


 お姉ちゃんが言うには元々私達の種族は水魔法を会得しやすいそうです。


「さあ、この先がこの沼から出られる唯一の水路だ、間違いなく【アガルガン】もいる、できれば見つかりたくない相手だけど見つかった時には戦うぞ」


 いつも適当なお姉ちゃんがこの時ばかりは真剣な表情で私の事を見つめていたことから今回の本気度が分かりました。


「うん...分かってるよ」


 静かに頷きながら私はお姉ちゃんの後を着いていきました。


 〜水路〜


 天縁の自然樹が生い茂る水路の中は薄暗い...。


 近くにいるお姉ちゃんですら見失いかねないほどに...。


 私は怖いと思いながらも、震える体を悠然と進むお姉ちゃんの姿を見て奮い立たせます!。


(大丈夫...! 私にはお姉ちゃんが付いてる!!)


 しばらく進んでいると段々と泥の量が増えてきてちょっと泳ぐだけでも辛く感じてしまうようになってしまいました。


(はぁ...、はぁ...)


 ちょっと泳ぐだけでも相当な体力を使ってしまう...。


「ケロナ? 大丈夫か?」


 お姉ちゃんに声をかけられますがこの日の為に準備してきた彼女を見ていると、(大丈夫だよ...)としか答えられません。


「そうか? 一度出直すこともできるけどどうする?」


 今日まで一生懸命に準備してきたお姉ちゃんの姿を知っているだけに、弱音が吐けない私。


(大丈夫、大丈夫だから進んで...)


「そうか? でも辛かったら言うんだぞ?」


(うん...)


 そう呟いた次の瞬間!!。


 ズバッと地上からいきなり何かが腕の様な物が飛んできて私の首を掴んだかと思えば水上に引っ張り出されてしまいました。


(かはっ!?)


「ケロナ!?」


 私の名前を叫ぶお姉ちゃんも勢いよく水面に飛び出す!。


 そして木々から生えた巨大な葉っぱの上にそいつはいました。


 体長は確実に30メートル以上あるこの【ブクゲロ沼】の番人...。


そう...【アガルガン】の登場です!!。


「...見つかったか」


お姉ちゃんはそう呟きながら両手に炎の剣を作り出し【アガルガン】に向かって行くのでした。

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