第306話 就寝③
しばらく安静にして落ち着きを取り戻した私の手を取って歩き始めるケロナお姉様。
「落ち着いた?」
「ええ、なんとか...」
「じゃあ行こっか!」
「何処に...?」
「教会だよ? 私達の結婚準備はもうできてるんだから!」
そう言われて連れて行かれたのは本当に教会でした。
いつもとは違う内装が付け加えられており、まさしく結婚式場と言った内装をしています。
右を見ても左を見ても祝福の言葉が飛び交う中、ケロナお姉様は堂々と私の腕を組んで歩いてくれていました。
「エリーゼのドレス姿、とっても綺麗だよ」
そう言われて初めて私は自分が純白のドレスを着込んでいる事に気が付かされてしまいます。
(わわっ! 私ったらいつのまにこんな服装に着替えていたんですの!?)
そう思いながらも神父の前に立った2人は近いの言葉を交わす。
「新郎ケロナ、あなたはエリーゼを妻とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「誓います」
「では次に新婦エリーゼ、あなたはケロナを夫とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、夫を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「ち...ちかいまひゅ!」
突然の出来事だったので思わず噛んでしまう私!
(やっちゃた!)
と思いましたが、ケロナお姉様はなにも言わずに私のベールを外し真面目な顔で私の顔を見つめてきました!
どくん♡ どくん♡ と心臓の音が全身に響き渡り呼吸音が荒くなってしまいます♡
「はぁ...はぁ...」
「エリーゼ...」
「ケロナお姉様♡」
2人は顔を見つめあっていると、神父がついにあの言葉を呟く...。
「では...誓いのキスをここに...」
そう言われた瞬間にお姉様の顔が近づいてくるのでした。
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