第393話 チーム名

 私達が参加表明を示すために参加用の紙に名前を書いていると...。


「えっ? チーム名って書かないとダメですか?」


 と受付係に聞く私。


「はい、規則ですので匿名希望と言うことはできません」


 そう言われると困ってしまう私。


「どうする皆? チーム名なんて考えた事ないから普通にケロナチームでも良い?」


 と言ってしまったのが始まりでした。


「いえ、なんでも良いのならば【エリーゼ騎士団】にしましょう!」


 としゃしゃり出てくるエリーゼを止める為にレイナが言いました。


「いえ、ならば【魔導を極めし者】にしましょう! 1週間もあれば魔導書を読めているはずなので多少は極めていると思いますし」


(うん! レイナが自信過剰な事は知ってたけど、まさか自分で【魔導を極めし者】なんて言うとは思わなかったよ...)


 勿論2人の案は却下しました。


「サラはね〜...、【ケロナお姉ちゃんと愉快な仲間達】が良いな〜」


(それはそれでどうかと思うぞ妹よ...)


 と言うわけで却下です。


 最後に残ったのはプラルでしたが、思いつかないと言うわけで私が決める事になりました。


「なんで私が...」


 と私が呟くと皆から声が返ってきました。


「ケロナが決めるのであれば誰も文句は言いませんからね」


「そうですわね、ケロナお姉様ならきっといいチーム名を考えてくれますわ」


「私はこういうのに向いてないので、ケロナさんお願いします」


「さぁ! ケロナお姉ちゃん! 私達のを決めて!」


 そう良いながら参加用紙を渡してくる妹。


 それを受け取った私は静かに真っ白な紙を眺めながら考えるのでした。


(私達のチーム名...か)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る