第340話 作戦会議

 私達は今、光龍の住むと言う古塔に向かっていました。


「光龍かぁ...、どんなドラゴンなんだろうね?」


 サラは相変わらずの態度で私に接してくれますが、約1名ガチガチに緊張しているのが見て取れます。


「お姉様無しで本当に大丈夫なのでしょうか?」


 と不安がるエリーゼにプラルは声をかけている。


「大丈夫です、できるだけ光龍以外との戦闘を避けて迅速に仕事を終えましょう、エリーゼさんにならできます!」


「プラル...、うん! そうだよね! 私にならきっと出来ます!」


 そう大声で叫ぶ彼女を呼んでもう一度作戦を伝える私。


「プラルとサラは多分大丈夫だと思うけど、エリーゼさんが心配だからもう一度作戦の説明をしておくね」


「私が心配って...! あんまりですわ!」


 エリーゼが何か言っていますが、私が1番心配しているのは彼女なので嘘は言っていません。


「まずは1番先頭のエリーゼさん、今回は【聖騎士】の職業に就き直して貰って皆の盾役になってね」


「勿論ですわ! でも武器が【刀】のままなのはちょっとスッキリしませんけど...」


「それは仕方ないです、【カニン】大陸では剣の生産がそこまで盛んではないですからね」


「それは分かっていますが...、やっぱり【聖騎士】と言えば剣ではないでしょうか?」


 彼女の言いたいことが分かりますけど、今は選り好みしている場合ではないでしょう。


「まあ別に武器は何でもいいでしょう? であるエリーゼさんならば、どんな武器を持っていてもそれなりに戦えると思いますし...」


 一流と言う言葉を聞いた瞬間にエリーゼの反応が良くなりました。


「一流の冒険者...、そうですわね! 一流の冒険者は獲物を選びませんわ!」


(この娘...ちょろいですね...)


 私は口には出しませんが、エリーゼさんほど手玉に取りやすい人はなかなかいないと思います。


「じゃあ次、サラには...」

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