第302話 ビックベアー解体

「まず皮を剥いだのは正解ですが、次にこうやるんです」


 彼女はそう呟くと手足に切れ込みを入れて四肢を外していきます。


「こうすれば手足の骨に当たって刃を痛めることもありません」


「なるほど...」


 私が感心していると彼女は次から次に解体方法を伝授してくれました。


 〜少女解体中〜


「最後に内臓を取り出して終了です」


 2人でやったが結構時間がかかってしまった...。


「血抜きをするまでにこれだけ時間がかかるなんて...、熊って面倒な生き物ね...」


 思わずプラルの前でそう呟いてしまったので慌てて口を閉じる。


(まずい事を言ってしまったかもしれない...)


 そう私が思って彼女の顔を見てましたが、意外にも表情は穏やかなままでした。


「ふふっ、そうですね、私も熊の解体作業は正直言って面倒だとが思っていますが、神聖なる動物と言う文化は捨てていけないものだと思っているので解体方法は誰かに伝授していかなくてはなりませんからね」


 熊の解体作業に手慣れたホビット族の彼女でも面倒だと思っている事にびっくりしました。


 でもまあ...これだけ工程が多いとそう思っちゃうのも無理はないよね?。


 しかし気になるのはいつこの熊肉を食せるのかと言う事だ。


「血抜きにどれくらい時間がかかるの?」


 と聞くと「もう暫くはかかります」と返される。


 目の前に熊肉をがあると言うのに血抜きを終えるまでは食べられないので、少しの間我慢するしかないですね...。


 ググッ〜っとお腹の音が鳴るのをプラルに聞かれて少し恥ずかしいですが、ここは我慢我慢...!

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