第303話 自分で討伐したビックベアーを食するお嬢様

 〜それからしばらく経った後...〜


「そろそろいいでしょう、熊肉を焼いて食べましょうか」


「やっと熊肉を食べられる!!」


 私は空腹で頭がおかしくなりそうだったので、めっちゃ喜びました。


 骨に肉を突き刺して焼いて行く私達。


「そういえば熊肉って美味しいの?」


 とプラルに聞くと...。


「適切な血抜き処理がなされていれば美味しいですよ」


「と言うことは...この熊肉は美味しいのよね?」


「はい、私が処理しましたので味はそこまで落ちていないと思います」


「だったらどんどん焼いて行きましょうか!」


 しばらく焼いていると肉の焼ける匂いが香ばしくなってきました♡


「いい匂いですわ♡ これくらい焼いたら食べれますかね?」


「ええ、そろそろいいと思いますよ、では頂きましょうか」


 ぱちッと手を合わせて「「頂きます」」と答える私達。


 焼けた良い匂いのする熊肉をを食べてみると...。


「硬い!! 硬いですわ!!」


 ゴムみたいに硬くてなかなか食せれない!!。


 プラルは普通に噛みちぎっているのに、私は噛みちぎれません!


 しかし、それと同時に旨味が口の中に広がるので美味しさは伝わってきました♡


(なかなか飲み込めないけれど、味は濃厚ですわね...)


 もう少し柔らかければ凄く美味しいと思えれるのに少し残念です。


 そう思っていると彼女がこう言ってきました。


「熊肉の調理法としては2回ほど水に浸けて獣臭さを退けた方が本当はいいんですけど...、ここには鍋もないですし、仕方ありませんね」


「水に浸けると柔らかくなるんですの?」


「そうですね...、独特の臭みも消せますし、肉質も柔らかくなります」


「ふ〜ん...」


 まあ、今調理法を言われてもこの場所には器具が何もないので試せないんですけどね...。


 私は大きくため息を吐きながらちゃんと調理された熊肉を食べてみたいと思うのでした。

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