第141話 ハーメルンでの稼ぎ

 私達は次の日からハーメルンの冒険者ギルドに入り浸っていました。


 サラが一人で依頼を達成できるようになったと分かった結果、3人で手分けして依頼を行うことによって依頼の消化スピード早くし、より効率的に仕事を行えたのも大きい。


 基本的にCランク以下の仕事には手をつけないようにし、とにかくワイバーンクラスの敵との戦いを何度も行いたかったのだが、流石にあのレベルの魔物が何匹もいるわけが無く結局3日目以降にギルドで貼られる仕事は低レベルの仕事ばかりになってしまった。


「美味しい仕事がなくなってきましたね〜」


 とレイナ。


「もっともっと新しい魔法の威力を試したいんだけどワイバーンみたいな魔物を倒す仕事ってもうないの?」


 とサラ。


 勢いづくのはいいけれど、こうあまりにも上手く行き過ぎている時には何かありそうで怖くなってしまうのが私だった。


 でもまあ、稼げているのは事実だし悪い気はしないんだけどね。


 そう思いながら今日も依頼を受けるためにギルドにある依頼版を見ていたのだが...。


「やっぱり何度見てもいい仕事ないね...」


 サラがもう一度そう呟くとギルドの受付嬢に声をかけられる私達。


「レイナさん」


「はい、何でしょうか?」


 普通に答える彼女に受付嬢はこう言ってきた。


「ありがたいことなんですが、あなた方の依頼の達成スピードに対して不満を持つ者達が現れまして...、しばらくの間この町での依頼の受注を控えては貰えませんでしょうか?」


「はい...?」


 受付嬢とレイナの話を聞いてみるとなんとなくギルドの内情に納得してしまった。


 どうやら私たちが鬼のようなスピードで依頼を完遂してしまうので新米冒険者やハーメルンを拠点にしている冒険者達から疎まれ始めているらしいのだ。


 簡単に言うと私たちのせいで他の冒険者達が稼げなくなっていると言いたい訳である。


 受付嬢の話を聞き終えたレイナは「はあっ」とため息を漏らしながらこう呟きました。


「どうしましょうか...」

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