第679話 【ターランド王】④

 女性の巨人だけだった時には簡単に攻めれていたのに、男性の巨人と触手が現れてからは思ったように反撃ができていません。


(クソッ!! 意外とやるな)


 魔法を放つと無数の触手が壁となって本体に当たらず、かといって無策に飛び込んでも触手に体の動きを絡め取られてしまうのでどうしようもない。


(ここを凌ぐには...)


 私の脳がフル回転で動く中、ミカが行動に出る!


「ああっもうっ!! 面倒臭い!! こんな物力づくで全部引っ張れば良いよね!!」


 そう言いながら触手の一本を引き抜き始める彼女。


「オラっ!!」


 力強い声と共に触手を引き抜いてみると...!


「なっ!?」


 引き抜いた先っぽについていたのは、なんと生きた女性の人間だった!!


「ミカっ!!」


「分かってる!!」


 私の声と共に触手から女性を引き剥がしてみると。


 ぷしゅぅぅぅ〜。


 と言う音とともに触手は消えてしまう。


 それを見てこの触手達はを動力にして生きているのだと気がついた私はミカにこう指示を出すのでした。


「ミカっ!! この触手を全部引っこ抜いて! ミルシュは引き抜いた後に女性達の保護を頼む!」


「ママっ! 分かった!」


「そして私はその触手達を弱らせる!!」


 そう言いながら女性と男性の巨人の攻撃を掻い潜りながら、触手の一つ一つを全て叩いて回るのでした。

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