第601話 【フィルア王国】のギルド②

 ハルトと言う白髪の男は妙に馴れ馴れしく私達に話をかけてきます。


「誰を探しにきたのか言ってくれれば俺が融通を効かせるよ」


 と言われたものの、別に誰かを探しに来たわけではありませんし、ここはこう聞いてみましょうか。


「最近この近くで【高難易度のダンジョン】が出現した事はない?」


 その言う質問に対して彼は首を傾げました。


「【高難易度のダンジョン】? そんな物が【フィルア王国】近隣で発見されたと言う事例は聞いたことがないな」


「そう、なら良い」


 私はそれだけ聞くと仕事の貼ってあるボードを見に行きました。


「ああっ! ちょっとそのボードは俺たち冒険者の為の依頼が貼ってあるのであって子供が遊んで良い物じゃないよ!」


 私達の見た目のせいか本当に子供だと思っているようなので、一度Aランクの受注書を取りました。


「君達にそんな依頼が達成できるわけないだろ! 子供が遊んで良い物じゃないんだから早くもどしなさい!」


 そう言われてしまう私達でしたが、ミカがそれを私からとって受付嬢の所へと歩いて向かい「これ受けます」と呟く。


 それを見た彼は「バカっ! 受けれるわけないだと!」と言っていましたが、ミカの冒険者ランクを見た瞬間に態度が一変しました。


 そう...、そこには冒険者【Sランク】のギルドカードが存在していたからです。


 ミカのランクを知った彼は亜然とした表情で弟子の事を見ているのでした。

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