第239話 若頭の恋

 私がお米をお腹いっぱいになるまで食べていると、サラやエリーゼが私の方を見てこう言いました。


「ケロナお姉ちゃんが楽しそうにご飯を食べてるの久しぶりに見た!」


「ケロナお姉様も食事中にはそう言う顔をするんですね...、グッときますよ!」


 なんて言われたので少し恥ずかしくなってしまい、レイナに助けを求める。


「ねぇレイナ、美味しいご飯を食べて笑顔になるのは普通だよね〜?」


 そう声をあげたのですが...。


「あれっ? レイナは?」


 よく見たら先程までレイナが座っていたはずの場所には誰もいませんでした。


「レイナはどこ行ったの?」


「サラは知らないよ?」


「私も知りませんわ」


(あれ〜? どこに行ったんだ?)


 そう思った私は近くにいたヤ◯ザの人に声をかける。


「すみません、私たちの仲間で白髪のエルフの子を見かけませんでしたか?」


「へい、若の恩人でしたら先ほど若の部屋に呼ばれていましたよ」


「ありがとう、ちょっとレイナを呼んでくるからサラとエリーゼはここでご飯を食べていてね」


「は〜い」


「分かりましたわ」


 2人ともいい返事をしてくれたので私は若頭の部屋に向かう事にしました。


 〜若頭の部屋〜


(ここのお米が美味しいってレイナに伝えないとね♪)


 るんるん気分で若頭の部屋の戸に手をかけた瞬間!!。


「レイナさん...僕と付き合ってくれませんか?」


 と言う若頭の声が聞こえてきたのでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る