第290話 滅びた里

 私達はホビットの隠れ里の家事を全て鎮火し亡くなった人たちの埋葬をしていました。


 次から次へと火葬を終える中、私達は一応生存者を探しましたがプラルの他に生存者は1人もいませんでした。


 ホビットの死体を見て気分を悪くしていたエリーゼでしたが、彼女も我慢しながら手伝ってくれました。


 手や足を食われた死体のホビット族を見ているだけでも気がおかしくなりそうな中ですら、彼女は一生懸命に運んでくれています。


「ここで私が運んであげなければ、この方達の死体は虫や鳥に荒らされてしまいますもんね...! そこは生きている私達が適切な処置をしてあげなければ!」


 そう言いながら死体の処理が終わったのは夕方くらいでした。


 全ての死体を燃やし終わったら次は白骨を埋めなくてはなりませんが...。


「ホビットの皆さんのお墓はどこですかね?」


 そう、何処にこの白骨を埋めるかで悩んでいました。


「里の真ん中に立てるのも良いと思うけれど、やっぱりお墓があるのならそこに埋めてあげたいよね?」


 私とレイナが会話していると、サラが声を上げます。


「お姉ちゃん! プラルって人が目を覚ましそうだよ!」


 その言葉を聞いた私はプラルに聞けば良いじゃん! と言う考えにたどり着きました。


「んっ...」


 ゆっくりと目を覚ますプラルに私は聞きました。


「ホビット達のお墓って何処にあるの?」

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