第199話 声
しばらくするとレイナが帰ってきた。
「おかえり、どうだった?」
「ええ、ケロナの言った通り町や村など見当たりませんでした」
「でしょ? 私は港町に着くように船を動かしていたはずなんだけど、もしかして間違えたのかな?」
一応海図を読んで大体この辺りだろうという目測をつけながら航海をしていたのだが、どうやら読み違えたようだ。
「仕方ないですね、もう一度この地形を空から確認して大体の現在位置を確認しましょう」
「頼む、レイナがいてくれて助かるよ」
「はいはい」
軽く返すと彼女はもう一度地形を確認しに空へと飛び立とうとした瞬間...!。
(こっちにきて...)
「んっ?」
「どうかしましたか?」
不思議な声が頭に響いてきたのでよろよろと歩き出す私。
「ちょっとケロナ!?」
私の手をレイナが掴むのですが、私はそれを意に返さず歩みを進める。
「誰かが私を呼んでるの、レイナには聞こえない?」
そう呟くと彼女は顔を顰めた。
「もしかして私をからかっていますか? 別になにも聞こえませんよ?」
まるで私が彼女をからかっているような雰囲気になるのだが、私はどうしても気になってしまったので、体が声の方に向かってしまうのでした。
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