第12話 最深部
〜最深部〜
ここまでは崩れきったただの遺跡だったのにここだけは違った。
「ここは...祭壇か?」
急に整った祠のようなドアを見つけ、その中に入ってみると祭壇のような場所にでてきたのだ。
階段の先には何かの儀式に使われそうな本が厳重に保管されており、見た感じでは何かを封印しているようにさえ思える。
それを見た勇者が赤毛の魔術師に封印の解除を命令する。
「テクア、封印の解除を」
彼女は「任せて」とだけ呟くと階段登りきり呪文を唱えた。
彼女が呪文を唱え終わると猛烈な閃光が迸り本にかかっていた封印が解かれた!。
すると...。
急に地響きがなり始めこの場にいた全員が困惑した。
(こんな時に地震!?)
そう思った矢先にそれが地震では無いと私は判断した。
なんと! 先ほど封印の解除をした本の中から布で顔を隠した男が現れたのだ!。
しかも、それと同時に地響きが鳴り止んだのだから何かしらの関係性はあると推測できる。
宙に浮いている彼は私達を見るや否やお辞儀をして礼儀正しくこう呟いた。
「君たちかな? 我ら聖典の封印を解いてくれたのは...、まずは感謝をしよう」
そう呟く彼に対しキィアが声をあげる。
「お前は何者だ!!」
「これは失礼、私の名前は傀儡使マーカイル、我が主人【大帝】様の命を受けてこの世の人間を滅ぼす1人」
にやりと笑う彼醜悪な笑みに私は身震いしてしまう。
「何あれ...」
「ケロナちゃんは下がって!!、【大帝】の従僕というのであれば容赦はしない!!」
剣を掲げて立ち向かう彼を見たマーカイルはクスクスと笑いながらこう言った。
「私と戦うというのですか? いいでしょう、しかし今の私には武器がありませんので少しばかりお待ちを、そうですね...この先の村にちょうど
不気味な笑みをしたかと思うと彼は一目散逃げ出し村の方に向かった!!。
「まずい!! 村人達の避難を優先しろ!!」
勇者の掛け声と共に女2人が駆け出すのだが、奴の方が圧倒的に早い!!。
「くそっ!! 待てっ!!」
私は村の人たちに何かされるのかと思うという恐怖心と戦うだけで精一杯だったので動く事さえできなかった。
これが戦闘を重ねた勇者パーティとただの村娘の決定的な違いである事は容易に想像できてしまう。
「テクア! 瞬間移動の魔法を唱えて村に戻るぞ!!」
「わかったわ!! 【移動魔術】!!」
テクアの魔法により私たちはスラナ村まで一瞬にして飛ぶのでした。
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