「なにそれ...」

　我とサラのやり取りを見ていたフリーズが言葉を漏らす。

　何やら私怨の混じったかのような小さな声に我らは視線を向ける。

「後1000年も生きれないような体に転生してなんで笑っていられるの？　【次元龍】もそう、あの時に私に刃向かってきた貴方はもっと輝いていた、今の貴方達は自分の為に戦っているのではない軟（・）弱（・）者（・）だ」

「軟弱者...か」

　確かにその言葉には我自身も肯定的である。

　一人で生きていく力を持たない者など弱者。

　我は今でもそう思っている。

　しかし、弱者は弱者でも人間という生き物はこうやって徒党を組み素晴らしい連携で遥か格上の相手を倒す事だってできる事を目の前の強（・）者（・）に教えてやれるとも思っている。

　ケロナと言う強者と弱者の中間に位置する存在に我はそう教えられた。

「その軟弱者の集まりに今日貴様は敗北するのだ」

　そう彼女を煽った瞬間！！

「私が今の貴方達に負ける...？」

　空気が凍（・）て（・）つ（・）く（・）！！！

　急激な気温変動に体がついていかないほどの氷点下を迎えた！

「ぐっ！！？」

　我でさえも体が凍えるような寒さに襲われているのだから、他の者など目も当てられないだろう。

(くそっ...！　ケロナの体ではこの極寒の世界にはたえられない！)

　龍の身体であればこの程度造作もないのだが、いかんせん両生類の体ではな...。

　このままでは全滅は必死かと思われた時、弾けるような太陽が姿を現し我らを極寒の大地から救い出してくれたのだった。

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