第810話 VS【大帝】③
何やらスイッチの入ってしまったアルフィがすかさず口ずさむ。
「レイナ、私が時間を稼ぐから【
「...えっ?」
困惑するレイナを尻目にアルフィは【大帝】に向かって飛び立った!
片手に持った大きな杖を箒がわりに【魔女】の固有魔法であるはずの【箒魔法】を【聖女】のまま操っている。
これはきっと奴の魂がこの世界の住人ではない事を指し示しているのだろう。
そうでなければ世界の理に縛られてしまい、【聖女】の職業のまま【箒魔法】は扱えない筈だからだ。
つまる所、今の彼女は【魔女】の特性を活かして【箒魔法】を扱っているのではなく、あくまでも【魔女アルフィ】としての技量で空を舞っているのだろう。
巧みな箒捌きで【大帝】の放つ攻撃を掻い潜りながら炎の魔法で反撃に出ている。
しかし、それも大したダメージにはなっていないようだ。
魔法が直撃した所でさえ【大帝】は一瞬で回復してしまっている。
「その程度の火力しか出ないの? やっぱり転生した事によるメリットよりもデメリットの方が大きいみたいだね」
と呟くフリーズの言動にアルフィはこう呟いた。
「後1000年くらいあればもうちょっとまともに戦えたかもしれない...」
その言葉を聞いた我はため息を吐きながら援護に向かう。
「人間の体で1000年経ったら朽ち果てるだろうが」
「【次元龍】...」
「お前を守る事はケロナの意思の一つだ、勝手に一人で突っ込むな
思わずアルフィの事をサラと言ってしまった。
その言葉にふふっと笑いながら彼女はこう返してくる。
「ふふっ...、ありがとう
少々むず痒いが仕方ないという我らの様子を見ていたフリーズに変化が起こるまで残り数秒前の出来事だった...。
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