第792話 【次元龍】との取引②
一見完璧なアルフィ様と【次元龍】の取引に見えますが、勇者キィアが一言入れました。
「でもちょっと待てよ、もしも【次元龍】がアルフィちゃんに【大帝を殺さないといけなくなる呪詛】を解いて貰った後で裏切ってきたらどうするんだ? いやまあ勿論負けるつもりはないんだけどさ」
キィアの奴が不安要素を指摘してきました。
確かに彼の言う通りです。
こちらが約束を守ったとしてもあちらが約束を守ってくれるとは限らないのですから...。
しかし、その事についてもアルフィ様は余裕そうな表情で返してきます。
「大丈夫、今の【次元龍】は昔ほど凶悪な存在じゃない、それどころか貴方達全員を戦火の及ばない異世界へと運ぼうとしていたでしょ? あれが答えよ」
確かに、ミカの言う事が本当であれば【
伝説上では残虐の限りを尽くしていた【次元龍】がその様な事を呟くとは夢にも思いませんでしたが、今までの話を全て繋ぎ合わせていくと合点がいきます。
「アルフィ様とミカ達の言う通りだとすれば、私たちがケロナと再開した時点でケロナの精神は【次元龍】だった事になるよね? そうだとすれば少しは信じて見ても良いのかもしれません」
私の言葉にキィアは少々反発してくる。
「レイナちゃんがそう言ったとしても俺はやっぱり【次元龍】を信頼する事なんてできないね、でもまあ力を貸してくれるって言うのであれば遠慮はしないけどさぁ」
やはり【次元龍】を信頼するのは少々難しい雰囲気がパーティ全体に漂っています。
今までケロナが【次元龍】の力を借りて人外じみた力を発揮してはボロボロになった姿を見ているだけに、なかなか信頼する事ができないのでしょう。
しかし、逆にいえば【次元龍】が居なければ私達は当の昔に全滅していたのも事実です。
私はその事も踏まえた上でキィアを説得してみるのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます