第791話 【次元龍】との取引
「アルフィ様!?」
私が声を上げた時に皆がキョトンとした。
「「「「アルフィ様...?」」」」
特にキョトンとしていたエリーゼがツッコミを入れてきます。
「レイナさん? それはサラでは?」
そう呟くエリーゼに対してアルフィ様はサラとしての態度ではなくアルフィ様としての性格で発言を始める。
「ごめんなさいエリーゼ、今の私はアルフィ...、いや貴女達と【次元界】に潜って修練を積んでいる途中から既にアルフィという存在は覚醒していたの、途中から明らかに【幻夢界】での敵が見たこともない様な奴らばかりになったでしょ? あれは私の記憶から今の皆の成長具合に合わせて敵を選んでいたんだよ」
アルフィ様がなぜ私たちが【帝王】達と戦えるまでに成長できたのかを説明した後に【次元龍】との取引について説明してくれました。
「私と【次元龍】は取引をしている、私達が【大帝】を討つ為に力を貸す代わりに彼にかけられている【大帝を殺さないといけなくなる呪詛】を解いて上げると言う言う契約なんだ」
なんの事を話しているのかチンプンカンプンな様子のミルシュは置いておいて話を進める。
しかし、そんな中キィアがツッコミを入れた。
「おいおいおい、ちょっと待てよアルフィ...ちゃん? さん? まあどっちでも良いや、仮に君の話している事が本当だったとしても、それで【次元龍】にメリットがあるのか?」
そう、そこは私も気になっていた所だ。
【次元龍】の強さであれば別に1人でも【大帝】と渡り合えるだろう。
それに【大帝を殺さないといけなくなる呪詛】を解く事が最大のメリットだと言うのであれば、【大帝】を【次元龍】が殺した時点で達成される。
その事についてもアルフィ様は言及していた。
「皆が思っているのはつまり【次元龍】が【大帝】を倒せば全て終わると思っているのだろうけど、それじゃ彼は解放されないのよ、例え【
その言葉に皆の頭はこんがらがる。
「どう言う事ですの?」
「言ったままの意味だよ、【大帝】って存在はフリーズ=ディスティアが殺された時点で更新されるんだよ」
その言葉に皆が絶句する。
「更新される...? って事はつまり!!」
嫌な予感が的中してしまう。
「そう、もしも【次元龍】が勝てば【大帝を殺さないといけなくなる呪詛】が発動し自らも自決してしまう」
その言葉にエリーゼが飛びかかった!
「ちょっと待ってください! 今の【次元龍】の体はケロナお姉様の物なんですよ! それってつまり【次元龍】が勝利すると
飛びかかる彼女をアルフィ様は軽く一蹴する。
「慌てないでエリーゼ、そうならないようにする為に【次元龍】も私が必要ってわけ、つまり私たちは【大帝】を倒すために【次元龍】の力を借りて、【次元龍】は自殺しない為に私の力が必要って訳、お互いにwin winな関係でしょ?」
アルフィ様の話を聞いていた私達は納得した。
(流石アルフィ様だ...、上手く【次元龍】を利用したって訳ですね)
自分の魔術の師匠であるアルフィという存在の手腕に思わず感動してしまう私なのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます