第453話 魔女の優しさ
「ほらっ、血が滲んできちゃってるじゃない、早く包帯を変えましょう」
そう言いながらレイナはプラルが拾ってきた薬草を風魔法で圧縮し体に良い成分のみを絞り出すと、今度は水魔法でそれを包帯の中に染み込ませてくれた。
そしてそれを古い包帯と交換してくれるのだが...。
「そこは魔法を使わないんだね」
「...まあね」
レイナ程の魔法使いになれば包帯くらい魔法でパパっと交換できるだろうに...。
あえて手作業で交換してくれているのにはきっと何か別の理由があるのだろう。
レイナが私の体に包帯を巻くのを見ていたエリーゼが憎らしい顔で魔女の姿を睨んでいましたが、無視をしましょう。
「これで良し! もう動いて良いですよ」
「うん、ありがとうレイナ」
私はそう呟くと早速立ち上がりました。
「動いて良いとは言いましたけど、その怪我でいきなり立ち上がれるなんてやっぱりケロナですね」
もう慣れた物だとでも言わんばかりの表情でふふっと笑う彼女。
「何かおかしいか?」
「いいえ、それよりも私達に聞きたいことがあるんじゃないんですか?」
「まあね、とりあえず町の被害具合から聞いてみようか」
私はレイナと顔を合わせ、今回の被害の具合を教えて貰うのでした。
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