第613話 フワトロアイスパンケーキ②

「ケプっ...Zzz」


 お腹が一杯になったのか幸せそうに日向ぼっこするミルシュの姿を見て、私は和みながら紅茶を楽しんでいると...。


「わぁ!! 可愛い!!」


 と言いながら私たちの方に向かってくる少女の姿がありました。


 この町に住んでいる子供でしょうか?


 町の子供にしては生き物に触れても問題がないらしく、普通にミルシュの体を触っている。


「この綺麗なトカゲってお姉さんのペットなの?」


「ええ、私のペットだよ」


「いいな〜、私もペット飼いたいのにお母さんがダメって言うんだよね〜」


 そう言いながらミルシュの体を触りまくったせいで目覚めてしまう。


「クピッ!!」


 誰か知らない人を前にしたミルシュは私の服の中に慌てて隠れてしまいました。


「あっ!」


 ミルシュが私の服の中に入っていくのを見た彼女は残念そうに落ち込んでしまっています。


 そのやりとりを見ていた私はクスッと笑いながら首元から顔を出しているミルシュに「出ておいで」とつぶやきました。


 すると彼女は震えながらもゆっくりと体を出してくれる。


「やっぱり可愛いなぁ、さっきは寝てる時に体に触れちゃってごめんね」


 少女の謝る言葉が分かったのか、ミルシュは首を縦に動かして「許す」とでも言っているように見えるのでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る