第366話 玩具箱の家⑫
私達はあの後に他の部屋へと連れて行かれました。
依然として鼻息の荒いエリーゼをまるで子犬でも可愛がるように見つめるメイア。
「さあ、こっちにきて座って頂戴...、一緒にお茶をしましょう」
彼女が手をかざすとその場所がに机と椅子が並べられました。
私達が椅子に座るとパチンと指を鳴らして人形達を呼びつける。
「紅茶を用意して、お客様の分もね...」
しばらく私達が見つめ合っているとお茶の用意ができたようでした。
メイドの人形が私達全員分の紅茶を淹れるとそのままメイアの横に立ち私達の部屋に残っているのを見てまずいと感じる私。
(メイアと私達だけならば手足を拘束されていようと数の暴力でなんとかなったかも知れないのに...)
まあ、そこまで相手が馬鹿ならケロナを人質に取ると言う知恵も働かないだろうし当たり前か...。
皆武器を取られてはいますが、その視線は常にメイアを睨みつけていて戦闘態勢のままでした。
そんな空気感の中でさえニコニコしている少女は私たちにこう語りかけてくる。
「温いうちに飲んで...、冷めちゃったら美味しくないでしょ? 大丈夫毒なんて入っていないから...」
と言いながら紅茶を飲み始める彼女なのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます