第538話 【次元龍】の悪夢④
【次元龍】から放たれた【黒い瘴気】が私達の体に纏わりつくと急に体が重たくなりました。
(なに...!?)
先ほどまで紙のように軽かった【あまみん☆=バスター】が鉛のように重たくなって持っていられません!
(ぐっ...!)
私達全員が動けなくなったのを見た【次元龍】はその巨体で私達を潰そうと突進を繰り出しました。
(まずい! このままじゃ皆潰される!)
そう思って私は魔法での反撃を試みましたが、魔法程度で奴の突進が止まるはずがありません。
私の放った水の魔法は彼の体に当たると同時に四散してしまいました。
(くっ...!)
私が諦めかけたその時。
遠くの空から黒いドラゴンが姿を現して【次元龍】に突貫してくれたおかげで助かりました。
私が息を切らしながら2体のドラゴンの戦いを見ていると、再び以前の夢で見た見覚えのあるピンク髪の少女が現れて私の手をとりました。
「ケロナ、一緒にあいつを倒そう...」
なんの力も感じない1人の少女の言葉の筈なのに、私は彼女の事を信頼しているようでした。
「リュア!! こっちにきてくれ!」
ピンク髪の少女の言葉に先ほど現れた黒色のドラゴンが【次元龍】を尻尾攻撃で飛ばしてこちらに戻ってきました。
黒いドラゴンは私達の方にまで戻ると、人間の姿となりてピンク髪の少女の手をとる。
私達3人はピンク髪の少女を中心に手を取り合い【次元龍】を見上げました。
「ケロナ、リュア、準備はいいか? 俺はできてる」
少女の掛け声に黒いドラゴンであるリュアは答える。
「当然だよっ! アリカと一緒にこの世界を守るのは【魔王の嫁】として当然だからね!」
(アリカ...?)
私はその名前を思い出してハッとしました。
(アリカ...!)
私はその名前を思い出すと彼女の体をよ〜く見てみました。
確かに見た目こそ普通の人間の少女の物なのですが、人間の少女にはない白くてふわふわな尻尾が生えていました。
そして私は思い出すのです。
私が...【人間ではない】と言う事に!
(この幼い少女はアリカと言い非力ながらも皆から親しまれ【魔族の王】と呼ばれる者、そして私はその子に呼び出された【王直属の配下】...!)
私は...この子の側に戻らなくてはならないのです!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます