第153話 【シュライン】
私が息を切らしながら【シュライン】にたどり着くと...。
「あら? ケロナ遅かったですね、あのスピードでしたからもうとっくに到着しているものだと思ってましたよ?」
レイナがわざわざ町の門の上空で待っていてくれました。
それに気がついたサラも私の方に向かってくる。
「お姉ちゃんどうしたの? 道に迷っちゃった?」
痛い所をついてくる妹に私はこう返す。
「道中で山賊に襲われちゃってね、数も多かったから時間がかかっちゃったんだ」
そういえば多少はマシだろう。
少なくとも道を間違えたと言うよりかは良い。
「先にギルドを見てきたんですけど、まだ新しいダンジョンに挑むメンバーを探しているみたいでしたよ」
「そうか、なら依頼主と話をして早速ダンジョンに挑もう!」
私がそう返すとレイナは少し不安のある表情を浮かべていました。
「どうした?」
「いや...ちょっとその依頼主というのが自分も連れて行けと言ってくるので少々面倒な事になりそうなんですよね...」
「別についてくれば良いよ、最悪置いていく事になるけど冒険者ならその覚悟があるでしょ?」
私の言葉に彼女はなかなか口を出してこない。
いつもなら私に同調するか、自分の考えをズバッというレイナにしておかしい態度である。
「まあいいや、取り敢えず依頼主の所に連れて行って」
と私が彼女に言うと彼女はコクリと首を縦に振って冒険者ギルドの方に向かう。
〜シュラインの冒険者ギルド〜
流石猫人の町と言うだけあって受付嬢も猫人族の女性だった。
「新しいダンジョンに挑むメンバーが揃ったので依頼主と話をさせてください」
レイナがそう言うと、受付嬢はなんだか微妙な表情を浮かべながら依頼主の元へと案内して早速くれた...って、えっ?。
なんでギルドが有するお客様用の部屋に通されちゃってるの?。
なんだか微妙な空気感を醸し出す中、なぜレイナがこんなにも渋い顔をしているのか理由がわかりました。
しばらくすると育ちが良さそうな金髪猫人族の少女が姿を表しました。
身長はサラより少し高いくらいで、腰に高そうな剣を携え綺麗な鎧で着飾っています。
そんな少女の両隣には裕福そうな男と女の猫人族がいたのでなんとなくことの
「貴方達が私の護衛につくのね! ちょっと弱そうだけど平均レベル50以上のパーティだし!、お父様もお母様もこれで文句ないよね!」
明らかに場違いな少女の登場により私たちのダンジョン攻略はいきなり雲行きが怪しくなってしまうのでした。
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