第661話 ミルシュ⑦
(今度は見逃さない!)
私は油断の2文字を頭に入れてしっかりとミルシュの動きを観察する。
「ママ! 行くよ!」
そう言いながら彼女は自身に【風の速度強化】と【雷の速度強化】の魔法を2重で掛けているのが見えました。
(うげっ! 2重の速度強化魔法を掛けていたのか! そりゃ油断してたら見えない訳だ)
しかし、タネが割れてしまえば問題ない。
「【蛙伝雷速】」
私も速度強化の魔法を自身に掛けると立場は一瞬にして逆転していまいました。
私が突っ込んでくる彼女の腕を掴むと「およっ?」と言う変な声をあげたので、そのまま地面に叩きつけます。
ドンっ! と言う音と共に彼女の体がバウンドすると悲鳴が上がる。
「いた〜い!!」
その声を聞いてようやく我にかえる私。
「ああっ! ごめんごめん! ちょっとだけ真剣に相手してた」
正直言ってパワータイプのミカよりもミルシュみたいなスピードタイプの方が私にとって厄介な相手なのでこれは良い練習になります。
ただ...、もうちょっと特訓させておかないとさすがに実戦では使えないと思うので、最初はミカとやらせましょうか。
「ミルシュ! とりあえずミカと模擬戦をやってみなさい」
「ええ〜? ミカお姉ちゃんって強いの〜?」
ぶ〜ぶ〜文句を言うミルシュに私は言いました。
「少なくとも今のミルシュよりかは強いと思うよ」
「ママがそう言うなら試して見ても良いけど...」
チラッとミカの方を見た瞬間!
「ほうほうほう...、誰が弱いって? これでも師匠にしこたましごかれてるからミルシュなんかには負けないよ」
うんうん、やる気があってよろしい!
「じゃあ早速やって見ましょうか」
私の言葉と共に2人はお互いに戦いを始めるのでした。
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