第660話 ミルシュ⑥

?」


「うん! さっきからすっごく楽しそうな遊びしてるよね!? ミルシュも混ざりたい!」


 などと言ってくるミルシュにを見て頭を抱える。


(嘘でしょ? 流石に戦闘訓練をミルシュに行うのは酷と言うか...)


 しかし、こうまでして目を輝かされてはやらせない訳にはいかないだろう。


「分かった、けれど危ないと思ったらすぐにやめさせるからね」


 と釘を刺しておきましょう。


「やった〜♪」


 喜びの声をあげる彼女ですが、正直言って不安しかありません。


「ママ!! いっくよ〜!!」


 一応護身術くらいは教えておこうかと思いながら私が身構えていると...。


 ヒュン! と言う風切り音と共にミルシュが私の目の前の現れました。


「えっ...?」


 明らかに油断していた私が悪いのですが、思いっきり気持ちの良い蹴りを顔面にもらってしまう。


「ママに1発当てたからミカよりミルシュの方が凄いよね!?」


 とはしゃぐ彼女を見て唖然としているミカだったが、1番唖然としたいのは私である。


(なんでミルシュがあんなに早いんだ!?)


 そう思いながら一度立ち上がりこう言いました。


「ミルシュ! もう一本!」


「うん! また一本取っちゃうもんね〜!!」


 元気に構える彼女の構えはどう見ても素人ですが、先ほどのスピードを見ていると油断できないと思う私なのでした。

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