「【大帝】についてアポロはどのくらい知っているの？」

　私の言葉に彼は一瞬眉をひそめました。

「どのくらい...と言うのは？」

「いや、アポロがどのくらい【大帝】についてどのくらい知っているのかちょっと気になってさ、せっかくだし話をしてくれてもいいんじゃない？」

　彼は少し考えた後にこう言いました。

「仕方ない、晩御飯をご馳走になっている身だし、僕の集めた情報を少しケロナ達にも話してあげようか...」

　上から目線なのが少し腹が立つが【大帝】の情報が得られるのであれば少しは我慢しましょう。

「さあ、どこから話そうか...、そうだな...、あれがいいか...」

　などと意味深げに言ってきているだけにしょうもない情報ばっかりだったら拍子抜けもいいとこですね...。

　あまり期待しないで私が彼の事を見つめていると...。

　ニヤリ...と明らかに彼は笑っていました。

「なに？」

　不満そうな私の表情を見た彼はクスクスと笑いながら【聖典】の事について語り出しました。

「そうだ、これがいいな...、【聖典】について僕が得ている情報をケロナ達に話してあげようか」

　彼は不敵な笑みを浮かべたまま軽く手を振ってロウソクの火を灯し、怪しげな雰囲気を作り上げているのでした。

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