第666話 【フィルア王国】再び②

 私がとっちめた男達に頭の居場所まで案内させてみると...。


「お頭!! 助けてくれ〜!!」


 そう叫ぶ男の声に振り向く金髪なお頭の顔には見覚えがありました。


「お前は...」


 私が思い出す前にミカが声を荒げて叫ぶ!


「アカギ!!」


 言葉と同時に手が出る血気盛んなミカの拳をアカギ。


「ミカか...、懐かしいな、それよりもそっちは青髪の嬢ちゃんじゃないか、いきなり殴りかかってきてどうしたんだ?」


 余裕そうにミカの攻撃をやすやすと受け止めた彼の力に違和感を感じる私。


(何かおかしいな...)


 私はそう思いながらもミカとアカギの戦いを見つめる。


「父ちゃんの仇だ!!」


 そう言いながら拳を振るうミカの一撃は間違いなく重い。


 それなのにアカギはその攻撃を何度も受け止めているのだ。


 この前まで私の動きを全く捉えられなかった男の動きとは到底思えない。


「くそっ!」


「力むなよミカ、お前の父さんは俺たちが沢山使い潰してやったんだからありがたく思えよな?」


「ふざけるな!! お前が死ねば良かったんだ!!」


【硬質化】まで使って本気で殴りかかるミカの攻撃を華麗に交わしながら腹にカウンターを決めるアカギ!!


「ガハッ!」


「【秘拳・虎殺し】」


 アッパー気味に決めた拳を固めながら勝ち誇るヤ◯ザの男の前にお腹を押さえながら蹲るミカ。


「うぅ...」


「なんだ? その程度の実力で俺に挑んできたのか? そんなに俺達のおもちゃとして遊ばれたいんだったらお前もアカギ組に入れて使い潰してやるぞ?」


 そう笑いながら彼は思いっきりミカの頭を踏みつけるのでした。

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