第801話 【次元龍】VS【雷帝】⑨

「【帯電モード】」


 と呟くと【雷帝】の姿に我はニヤリと笑う。


「いいな...、あんなくだらないゲームをしていた時よりも遥かにいい目をしているぞ...お前」


 殺意のこもった良い瞳で我の事を睨みつけてくる彼の存在に好意を抱く。


「さあ来るがいい電の王よ...」


 我の挑発に彼は乗って来た!


 先ほどまでとは人が変わったかのような殺意の瞳に我は笑みをこぼす。


(これだ、我がこいつらとしたかったのはこう言うだ)


 全身に電撃を纏った彼が我の後ろを取る。


「あっ! 危ない!!」


 プラルが遠くから我に危険を知らせてくれるのだが、そんな事には気がついている。


(大丈夫だ、この程度の速度なら適応できる)


 我は背後から襲ってくる彼の行動パターンを電流の流れから推測し、すべて見ずに躱す。


 電気の流れと言う気配だけでも彼の動きが手に取るように分かるのだからケロナの能力には感謝しかない。


 流石の彼も自身の攻撃が全く当たらないと言う事に違和感を覚えたのか、今度は絶対に躱せないようにこの部屋全域を雷で覆うと魔力を溜め始める!


 彼を中心に魔力の波が荒れ狂いながら集まって行くのを感じるのだが、これは好都合だ。


(馬鹿でかい雷の波だが、今の我なら乗れそうだ)


「ケロナお姉様!?」


 今度はポニーが我の行動に驚きの声を上げた。


 なぜなら、我が奴の生み出した波に中にダイブしたからでした。

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