第225話 【浸透】②
私は何度も桃の実を狙って【砂鉄】ナイフを投擲する。
【砂鉄】で作られた武器を【水魔法】で振動させて威力を倍増させるという方法をあいつは実戦でやってみせたのを思いだしながら、私も同じことをやってみた。
「まずは【水魔法】でナイフの形を作って【砂鉄】で塗装する、そして中の【水】を私の意思で振動させて威力を倍増...」
ばしゅん!!。
威力を倍増させようとした瞬間に砂鉄の部分が弾け飛んでしまった。
「なんでだろう...、水の威力が強すぎたのかな...?」
しばらく実験した結果、私は【水】の力の方が圧倒的に強く【砂鉄】の力がめっちゃ弱い事がよ〜く分かった。
簡単に言うと水の振動に砂鉄の強度が追いついていないのだ。
恐らく奴の場合【砂鉄】の方が【水】よりも強い力を持っているからこそ、この方法が適用できるのだろう。
「いきなりつまづいたな...、でもまあやってみないと結果は分からないし、徐々に慣らしていこう!」
そうやって何度も試行回数を増やして練度を稼いでいく。
この方法なら【水魔法】と【砂鉄】の練度が一緒に稼げるので非常に効率がいい。
最初こそ砂鉄のナイフを作るだけできつかったのに、ダガーくらいなら複数本作れるようになってきた。
まだまだあいつのように大剣や槍を作れる技量はないけれど、少しずつ練度を上げていけば私もいずれあのくらいできるようになるだろう。
そしてその時こそがエルサとの再決闘の時期だと狙いを定めているのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます