第669話 【フィルア王国】再び⑤
動揺しているアカギに私は聞きました。
「まさか...、お前の今使った力が【大帝】による物だと知らないのか?」
「俺がターランド王から貰った力が【大帝】の物だと...? そんなはずはない!」
うっかり口を滑らせる彼の言葉を私は見逃さない。
「ターランド王から力を貰った?」
「あっ...!」
その言葉のおかげで私の次の標的が決まりました。
私がアカギとの戦いに決着をつけようと身構えていると...。
「師匠! アカギは私1人にやらせて!」
と言う弟子の声が聞こえてきました。
弟子の言葉にアカギは笑う。
「ミカが一人で俺と戦うだと? 笑わせるな」
「笑いたければ笑えば良いさ、でもね...、今度は油断しない!」
ミカの顔つきが変わり先ほどのような焦りが完全に消え去ったのを確認した私は後を任せます。
「ミカ...、分かった、でも早く終わらせるんだよ」
彼女の肩を叩きその場を譲る。
「ありがとう...師匠、こいつだけは私の手で殺してやりたかったんだ、父さんを使い潰し母さんを精神的に追い詰めて殺したこいつだけは!」
ぐっと拳を握りしめながら、彼女はアカギに向かって走るのでした。
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