第362話 玩具箱の家⑧

 銀狼剣士カイゼルが私たちの方に向かって剣を抜き放ち襲いかかってきました!!


「近づけさせない! 【光輪の矢】!!」


 サラが真っ先に反応して魔法攻撃を行ったのですが、奴の驚くべきスピードの前には無力でした。


「えっ...?」


「まずは1人...」


 そう言いながら銀の剣を振るいサラの胸に突き刺そうとした瞬間!!


 ギィン! と言う金属音が鳴り響き奴の剣の軌道がズレる!!


 その剣筋を捌いたのはエリーゼだった!


「私の仲間を簡単に殺させやしませんわ!」


 そう言いながら返す手で銀狼の剣士に一撃をお見舞いする!


「ぬっ!」


 エリーゼの剣線に驚いたのか一歩飛び退く彼。


「やるな小娘...、だがこれはどうだ?」


 凄まじい剣線が次々と襲いかかってきていると言うのに余裕の笑みでこう返す彼女。


「こんな簡単に捌いて見せますわ!!」


 彼女の言葉通り次々に襲いかかってくる剣撃を見事に捌き切っていた!


 まるで高難易度の問題を出されたと同時に1秒以内に回答しているかのようにも見える!


(エリーゼさん...、いつの間にか刀の扱いにも慣れた物になっていたのですね...)


 私はそう心の中で呟きながら彼女を応援しているのでした。

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