第654話 アイナ(?)

「アイナ...?」


 私は思わず隣で眠っている人物にアイナの面影を感じていました。


 私が目覚めてから数分後にミカが目覚めて言いました。


「師匠? 誰ですかその子?」


「私に聞かれても知らないよ!」


 これは困りました。


 こんな森の中で野宿していると近くに村もないので余計不気味に見えてきます。


 どうしようかと考えていると、アイナに似た少女は目を覚ましました。


「ふぁ〜...ぁ...」


 大きくあくびをしながら私の方をじっと見つめてくる赤く幼い目は少し可愛い...。


 とか言っている場合ではありません。


 目の前で目覚めた白髪の少女に私は言いました。


「あなたは誰? いつから私の横で寝ていたの?」


 その質問に対して彼女はこう答えてきます。


「ずっとママの服の中で寝てたよ? ちょっと暑くなったから一度外に出たんだけどね」


「ママ? ママって誰の事?」


 そう呟く私に彼女は指さす。


(ん〜???)


 その発言に私は首を傾げる。


「私はあなたのママではないし、あなたを服の中に入れた事はないと思うけど...」


「ええ〜? ママはいつも私の事を服の中に入れてくれてたよ〜?」


(...まさか)


なんとなく彼女の正体が分かってきたので名前を当ててみることにしました。


「もしかして、あなたはミルシュ?」

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