第657話 ミルシュ③

 私達が村に着くとまずは服屋さんに向かいました。


 〜服屋〜


「そちらのお嬢さん様に旅用の服を...ねぇ...」


 村の服屋さんにはおばあさんが1人で経営している様で随分と年季が入っている様でした。


「ああ、1番良いのを頼む、金ならあるから大丈夫さ」


 私の言葉にミルシュが割り込んでくる。


「ねぇママ! ミルシュねぇ! これが欲しい!」


 そう言いながら指さしたのは青いリボンだった。


「そう? ならそれも貰おうか」


 少し甘やかしすぎたかとも思いましたが、元々ミルシュは私がペットとして飼っていた魔物ですし、多少お金をかけるのも間違ってはないでしょう。


 私は彼女にリボンを買ってあげると「ママに着けて貰いたい!」と言われました。


「分かった、じゃあママの大事な人の妹と一緒な髪型にしよっか!」


 私はそう言いながら頭の左右で髪をくくりつけて立派なツインテールを作ってあげます。


 鏡を見て自分の髪型が変わった事に驚く彼女は可愛い♡


「わぁ...! ミルシュの髪型が変わっちゃった! ママはまるで魔法使いみたい!」


 子供の笑顔はやっぱり良い物ですね...。


 旅の疲れも子供の笑顔を見ていると吹き飛んでしまいます。


 白髪の髪が2つに分かれてくるん♡ と癖っ毛となり曲がっているのが可愛すぎます♡


「ありがとう! ママ!」


 お礼を言ってくるミルシュの可愛さにやられそうになりながらも、私は彼女の頭を撫でているのでした。

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