貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと言われてしまい勇者パーティからは【使えない】宣言されてしまった村娘ですけど仕方がないのでレベルを上げずに最強になります！！

第750話 ミルシュ！！

「ミルシュ！！」

　私が叫ぶも虚しく彼女の体は見るも無惨な姿で地に倒れ伏した。

　それを見た瞬間に怒りが膨れ上がり、目の前の敵を倒す事に全神経を集中させる！！

「【蒼極】！！」

　全身に蒼きオーラを纏い【蛙伝雷速】を発現させた！！

　バチバチと唸る電撃を迸らせながら、私は刀を引き抜きギサラに一撃を与える！！

　音速をも置き去りにするスピード感で奴に一撃を与えるも...。

「ぐっ..！」

　奴は片手で私の攻撃を止めていました。

「無駄だ」

　彼はそう呟くと私に拳を振りかざす。

　咄嗟の判断で水の膜を張るものの、奴の攻撃はそう簡単には止められない。

　拳その物は水の膜で止められたとしても、その腕からタコの足がうにょうにょと生えたかと思えば私の体に纏わりついてくる！

(まずい！！)

　そう思った私は電撃を水の中に発生させてタコ足を焼き切った！

　あの頃よりも魔法の発動タイミングに磨きが掛かったお陰か戦えているように見えるが、所詮は絡め手に過ぎない。

　圧倒的な力の前ではたとえ絡め手を使ったとしてもその差は埋まらないのだ。

　私が電撃と水の２つを詠唱して1の攻撃を防いだとしても、彼の攻撃速度から身を守る算段はない。

「【悪魔の手（デーモン・ハンド）】」

　彼の詠唱と共に私の背後から悪魔の手が降りかかる！！

　刀での攻撃、電撃と水の魔法の同時詠唱に加えて第3の攻撃を行なってきた彼の攻撃をジャンプで避けた瞬間だった。

「空に逃げたか【羽の雨（フェザー・コール）】」

　彼の背中の一部が盛り上がり、鳥の羽が出現し、無数の羽の雨を降らせてこられては堪らない。

　地上の対処に追われながら空中の対処などできるはずもない。

(無理にでも防ぐしかない！)

　そう思った私は魔力が枯渇するのも承知の上で水の膜を拡大させた。

　奴の羽を全て水の中に吸い込んだ私でしが、彼はそれを見てニヤリと笑う。

「水の中ならお前の方が早いとでも思ったか？」

　再び彼の体が変異し、人魚のような下半身になったかと思えば目にも止まらないスピードで私を捉えた！

　口を押さえられ魔法を封じられた所に彼の剛腕が私の胸を貫く！

「ガハッ！！」

　あまりの激痛に口から血を吐き出し回復魔法を自身にかける私でしたが、彼の攻撃速度の前には焼け石に水でした。

　羽を一旦収めたかと思えば、今度は針千本のように尖った無数の触手を背中から伸ばしてきて私の体を串刺しにしてくる。

　全身を駆け巡る針の一撃は軽い。

　けれども腹に風穴を開けられた状態での軽い一撃の数々は確実に命を奪い去っていく。

　もはや抵抗など意味もないだろう。

　いや、そもそも全盛期の彼に抵抗する事さえ1人ではできない。

　あの時だって勝てたのは皆の力があったお陰だからです。

　そう思った私は回復など魔力の無駄だと悟り抵抗をやめました。

　私が諦めたのを感じたのか彼は私の心臓にとどめの一撃を加える。

　確実に心の臓を貫かれたのを察知した私の体は全ての機能を停止し暗闇にへと落ちていく...。

(終わった...、全てが...)

　私は完全に諦めてしまい、ただただ運命に全てを委ねるのでした。