第716話 【白銀勇者の伝説】
【白銀勇者の伝説】
それはこの世界に住む者ならば誰もが知っているであろう有名な物語。
その昔、【大帝】と【次元龍】の戦いの中に割って入ったと言われている白髪の勇者の名前の事だ。
彼はその力で【大帝軍】を退け、【次元龍】をも滅ぼし世界を救ったと言う...。
だけど実際にライファー様と話を聞いているとその話の中には物語と比べて明らかにおかしい内容が含まれていると分かってしまう。
(そもそも【次元龍】は【大帝】が私達の世界に追放させているから、【白銀の勇者】が【大帝】と【次元龍】の両方を倒したと言うのは真実ではないのでしょうね...)
まあ、古くから伝わる神話や物語という物は違った形で継承されている物が多いのでなんとも言えないんだけどね...。
私の知っている物語とライファー様が話した事実との内容が多少違っていてもおかしくはないだろう。
しかし、それだけ有名な人物の名前を持ち上げられるとなんとなく納得してしまうというものだ。
だけど、一つだけ疑問に思う事がありました。
そう、自分の事を白銀の勇者の生まれ変わりだと言っていたキィアの存在です。
【眷属】の1人を相手にするだけで苦戦するような人物に苦戦するような彼女達ではないでしょう。
まあ、キィアが本当に勇者の生まれ変わりだとは思えないんですどね。
「その勇者はどうやって【大帝】様を凍結させたのですか?」
その質問に彼女は答えてくれる。
「それはね、勇者を中心とした【
「【
「【
「では【白銀の勇者】があの氷を作ったと言うのですか?」
「そうよ、ちなみに勇者パーティとの戦いの時に【大帝】様は「手を出さないで」と私達【大帝】に命令されているからね、一応あの氷が溶けるまでの間は【白銀の勇者】と【大帝】様の戦いは続いているって訳、だからこうして【大帝城】の中で次の命令が出るまでの間暇しちゃうから【帝王】の何人かは遊びに出てたってわけね」
【帝王】達の遊び半分で殺されてしまった人もいるけど、それでも【大帝】に対して有効な魔法の存在が聞けたのは大きい。
(最悪私がその魔法を使えれば【大帝】が復活したと同時に放てば時間稼ぎはできるという訳ね)
そうなるとその魔法について聞き出したい所ではあるが、その事について【帝王】である彼女に聞くのは野暮という物だろう。
私が【大帝】に対して明らかな反逆心を持っている事は悟られてはならないのだから...。
「...本日はありがとうございました、お陰様で【大帝】様について色々な事が知れたと思います」
「そう? まあ私としては暇つぶしになるし、またお話をしてあるわね」
「はい、ありがとうございました」
あまりせっかちになって話を聞き出すのは良くない。
少しずつ偽りの信頼関係を築き上げ、確実に信頼されるようになってから【
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