第8話 勇者様のレベル
「おっ、スライムかちょうどいい!! 【戦闘レベル】90の力! 見せてやるぜ!!」
勇者様は自信満々に90と言う数値を高らかに宣言してスライムに剣撃を入れる!!。
鮮やかに美しい剣技を披露しながら一瞬にして決着をつけた彼は血払いの要領で剣に付着したスライム粘液を弾き飛ばした。
その様子に勇者パーティの女共は「きゃ〜きゃ〜」とはしゃいでいる。
「流石キィア様です!!」
「きゃ〜格好いい!!」
「流石レベル90!!」
などと声援が飛び交っているので、キィアのレベル90と言うのはとても高い方なのだろう。
そうなってくると自分のレベルが気になってきた。
「ちょっと良い?」
「なんだい? ケロナちゃん」
「この先に小さな教会があるから私の戦闘レベル測ってもらっていいかな?」
私の言動に相変わらず女共はピーチクパーチク横槍を入れてきた。
「ちょっと!! 図々しいわよ!!」
「そうよ!! こんな村にわざわざ調査にきたキィア様の身にもなって頂戴!!」
「あんたら、ちょっと落ち着いてムカつくのは分かるけど少しくらい我慢しなさい」
しかしそれだけ文句を言っていても勇者が「ああいいよ、行ってみよう」と呟いた瞬間に手のひらを返すこいつらの根性は本当に腐っている。
私はため息を吐きながら教会へと足を踏み入れるのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます