第577話 女性差別の国⑧

 私が店に入ってみると嫌な顔をされました。


(何この雰囲気...)


 私はそう思いながらも注文をしてみます。


 他の人達の食事を見ていると良さげな料理を運んで行っているのが見えたので私も同じ物を頼みました。


 そしてしばらく待って私の元に来たものといえば...。


「なに...これ...」


 私の前に出されたのは他の人に提供されていた物とは全く違う完成度の低い物が出てきたので驚きです。


 怒りそうになっている私を見て回りの男達は笑っていました。


「女が一人でこの国を歩くなよ...」


「あ〜あ、恥ずかしい子」


 なんて言われてしまったので私は思わずテーブルから立ってその男達に話を聞いてみることにしました。


「その話、詳しく聞かせて! 代金は払う」


 私はとにかく情報が欲しくなったので男達から1万ゴールドを支払い話を聞く。


 数分間の話し合いで分かった事がある。


 はっきりと言おう。


 この国はクソだ。


 どうやらこの国の王様が決めた事らしいのだが、絶対男性優遇主義らしく女性には男性の玩具くらいの権利しか認められていないらしい。


 と言うのも先代の王様が他の国との女性関係でイザコザがあったらしく女性を憎んでいるらしいのだ。


 その結果自国の女性達からあらゆる権利を剥奪し、女性はたとえ子供であってもどこかで男性と繋がっていなくては生きていけないほど息苦しい世の中らしい。


「...ありがとう、これでこの国にいる理由がなくなったわ、つまりまともな料理も出てこないだろうし情報収集も難しい、そうなるとさっさと次の国に行ったほうが賢明ね」


 私は男達に礼を言いながらその場を後にするのでした。

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