第478話 お爺様④
「なに? その目は...」
「...悪い、だけど私は貴女をそういう目でしか見れない」
互いがこんな状態では握手などできるはずもないのだが、彼女は私と握手することに拘っている。
しまいには小声でこんな事を言い出すほどに...。
「早くしろ、私に恥をかかせる気か?」
「...」
そこまで言われてしまっては仕方がありません。
形式上の仲直りですがやってあげましょう。
ほんのちょっとだけ手を当てて握手だと言い張る私。
「...なんだ今のは」
「悪いけどこれ以上は譲渡できない、本心からあなたが仲直りがしたいのなら話は別だけど、ただただそこのお爺様とやらに命令されていやいやってるだけの仲直りだなんてなんの意味も感じられないから」
「...貴様、私を怒らせたいのか?」
そう彼女が呟いた瞬間!!。
「おいカトラ...、あんまりわしを怒らせるなよ? 仲直りの握手ができたんだからいいじゃないか...」
重苦しい声が室内に響き渡り、それを聞いた体が危険信号のように額から汗を垂らし始めました。
「...申し訳ありません【お爺様】」
「うんうん、カトラちゃんは賢いからわしは助かってるよ」
ニコニコと笑っていると普通のお爺ちゃんの様にも見えるのだが、その内面から感じられる負のオーラはとてつもない邪気を放っている。
仮にも神社という聖職者のような者がトップに立つべき場所に立っているのがこのクラールなのだと思うだけで頭がおかしくなりそうだ。
(...この神社何かある)
そう思いつつも顔には出さない私なのでした。
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