第298話 洞窟④
外の音を聞く限り、まだまだ雨は止みそうにない。
あれから数時間経過したと思うけれど、ケロナお姉様達はまだ私達の事を発見できないようでした。
「一体どこまで流されてしまったのでしょうか...」
私がそう呟くと、プラルはこう返してくれます。
「ここの川は流れが急ですぐに海の方面まで流されてしまうんですよ、だから一度流されると探索が長引いちゃうんです」
「なんだか、妙に詳しいわね」
「私も一度足を滑らせてこの川に流された事がありますからね」
「そうでしたの!? だから妙に詳しい訳なんですね!」
「ええ、でも恥ずかしい事なので皆には黙って置いてくださいね」
彼女には口止めされてしまったが、こんな面白い事を黙って置くわけがないだろう。
いつか時間が過ぎて彼女の事をもっと深く知った時にでも話の話題にする事にしようと決める私。
こうして数時間の時を少女2人で過ごしていたのですが...。
突然洞窟中に足音が響き出しました。
「何この音...」
私がそう呟くと、プラルはこう言いました。
「この足音は...!、 私達ホビット族にとって神聖なる動物の熊ですね!」
「えぇぇぇぇぇ!!!!」
今の私達は裸ですのに熊と戦うハメになるなんて...。
ついてませんわ!。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます