第594話 【風龍ルディラ=マルクス】④

「ふぅ...」


 というミカの息使いが私には分かる。


(流石に緊張しているね...、私と沢山特訓したとは言え災害級との殺し合いは初めてだろうし、実力はミカの方が上だとは言え油断したら食われるよ...!)


 私は少し遠くから彼女の戦いを見ていましたが、なんとなく彼女の緊張が分かってしまうのです。


 魔物と戦うのは人と戦う時とはまるで違います。


 まず関節や体付きが全く違うので弱点や急所の位置も違えば戦い方も全く異なる者同士の戦いとなるので、実力の差が最も出やすい対面でもあるでしょう。


 常人では立っていられないどころか吹き飛ばされてしまうような暴風の中で彼女は走り出す!。


 まるで風の抵抗を全く感じていないかのように突き進む彼女の動きを見て笑みを浮かべる私。


(特訓の甲斐があったわね、私と死ぬ気で特訓すれば短期間でもレベルがここまで上がることも分かったし、魔物の血が混じった者ならば気兼ねなく育てる事ができる)


 人間や獣の血が混じった亜人よりも、やはり魔の血が混じった魔族の方が体的に丈夫だし多少の無茶ができるのでありがたい。


 強大な体を持つ【風龍ルディラ=マルクス】に殴りかかり体勢を崩させるミカの姿を見て勝利を確信する。


「ミカ! そのまま行きなさい!」


 私の言葉に彼女の攻撃が次々と【風龍ルディラ=マルクス】に決まる!


 このまま押し切れるかと思っていると、ドラゴンの代名詞であるブレスを撃つ体勢に入る【風龍】なのでした。

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