第604話 白トカゲ②
私が白トカゲを解体していると、なんと【白トカゲ】の卵を発見してしまいました!
「結構大きい!」
私がゆっくりと体の中からドッチボールくらいの大きさの卵を引きずり出すと、直ぐ孵化してしまう。
「わっ!」
私は思わず卵を落としそうになりましたが、なんとか体勢を立て直して【白トカゲ】の赤ちゃんを見てみました。
ドッチボールの大きさほどあった筈の卵からは手の平サイズのちっちゃいトカゲが1匹いるだけで更に驚きました。
「まさか...、親が殺されたから不完全な状態で出産しちゃったって事!?」
私が少し慌てているとミカは言いました。
「そんな奴ほっといても良いじゃん、卵だったら価値があったかもしれないけど孵っちゃったらほとんど価値ないよね? 魔物の卵って」
確かにミカの言う通りではある。
卵の状態ならば食用、もしくは生まればかりの子供の魔物に調教を施してペットにしたいと言う金持ちはごまんと居る。
それだけ魔物の卵は重宝されているのだが、生まれてしまってはもう意味がない。
一度でも大自然の景色を見てしまった魔物はこの場所に帰ってきたいと言う欲求が高まってしまうのだ。
なのでペットにする場合は極力小さな部屋で外の世界を見せずに育てなくてはならない。
私も最初は捨て置いて帰ろうかとも思いましたが、どうしてもこの赤くて可愛い目を見ていると保護欲をくすぐられてしまいました♡
「...」
「師匠?」
そう呟く弟子に私は言いました。
「この子...飼おう!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます